下痢が続くということは2~3日程度であれば、通常の風邪やインフルエンザなどでもありえます。
しかしそれ以上続く場合や、
便の色が黒色便(タール便)だったり鮮血便(明らかに赤くて血が混じっている便)などの場合には潰瘍性大腸炎やクローン病、虚血性大腸炎などが疑われると思われます。
有名な人で潰瘍性大腸炎になられてしまっている方も意外と多いです。
現在の首相の安倍晋三内閣総総理大臣もそのひとりです。
(昨今、話題の腸内フローラの改善の為に便移植をしたとかしないとか・・・・。)
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潰瘍性大腸炎、クローン病の疑いという人も含めますともっといらっしゃると思います。
他に著名人では吉幾三さんや若槻千夏さんなど、
私自身もはじめて下血した時にはなんの知識もなくビックリしましたし、死んでしまうんじゃないかと思ったほどです。
当時は大腸がんや消化器系等のがんの際に、タール便や血便になるというくらいの知識しかありませんでしたから・・・・。
私の場合は、はじめの時には下血した当日に抗生剤を点滴していた為、薬剤性の出血性大腸炎ではないかということで絶飲絶食で10日間いました。
もちろん、
飲めない食べれないでは死んでしまうので鎖骨下静脈から心臓の近くの太い血管(大静脈)の辺りまで点滴輸液が届くようにするIVH(中心静脈栄養)というもので栄養やカロリーは採っていました。
しかし、
それから毎年のように1回は結構な下血をするようになってしまいました。
その都度、大腸内視鏡検査ばかりしました。
その結果、
明らかに出血はしているのですが上記潰瘍性大腸炎やクローン病の所見が鮮明ではない為に、
潰瘍性大腸炎の疑いかクローン病の疑いという曖昧な診断?でした。
時折、
出血(下血)がしたりするものの少々のことでは耐えていました。
ただし、水分を飲めないくらいの場合は病院に行って点滴で補液してもらっていました。
水分を少しづつでも飲める時には、
生理食塩水(生食)と言われる人体の浸透圧と同程度のもの、具体的には0.9%の食塩水を作って口から飲んでいました。
生理食塩水の具体的な作成方法は、
簡単にですが0.9%なので、1リットルの水に9gの食塩を混ぜるだけです。
もう少し摂取できる時にはポカリスエットなどの、
スポーツドリンクでその他の電解質も採っていました。
とまぁ、私のことはさて置きまして。
潰瘍性大腸炎の分類は以下のように一応なっています。(されています。)
1) 再燃寛解型 | 悪くなったり(再燃)、良くなったり(寛解)を繰り返します。 |
---|---|
2) 慢性持続型 | 寛解期がほとんどみられません。 |
3) 急性劇症型 | 発症から急激に症状が悪化します。 |
4) 初回発作型 | 将来再燃寛解型になる可能性もあります。 |
これらの病型のうち、再燃寛解型が最も多くなっています。
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嘔気・嘔吐 | 腹痛 | 発熱 |
重症度分類では以下のようになっています。(されています。)
[重症度の分類]*
臨床症状をもとに分類され、下記のようになっています。
重症 | 中等症 | 軽症 | |
---|---|---|---|
1) 排便回数 | 6回以上 | 重症と軽症 との中間 | 4回以下 |
2) 顕血便 | (+++) | (+)~(-) | |
3) 発熱 | 37.5℃以上 | (-) | |
4) 頻脈 | 90/分以上 | (-) | |
5) 貧血 | Hb10g/dL以下 | (-) | |
6) 赤沈 | 30mm/h以上 | 正常 |
治療方法もある程度は確立されていますが、基本的にはステロイド剤がメインになってくると思われます。
他にペンタサ錠やアサコールという潰瘍性大腸炎によく処方される薬もあります。
これらとステロイド剤が併用されることが主です。たまに抗生剤も処方されることもあります。
(:2次感染予防のためです。)
侮ることなかれ下血やタール便です。
下痢や下血が続いたりした場合には、早急に病院に行きましょう!!
※ただし、小腸での炎症の場合には炎症反応(CRP)はほとんどでないので注意が必要です。
その他血便の際の症状や疑われる病気などです。
病名 | 血の量 | その他の症状 |
---|---|---|
痔 | 場合によってさまざま | 便秘 |
大腸ポリープ | 少量 | なし |
大腸がん、直腸がん | 多め。粘液と共に出てくる | 腹痛、便秘と下痢の繰り返し |
潰瘍性大腸炎 | 多い。粘液に混ざった出血 | 下痢 |
虚血性大腸炎 | 場合による | 左腹部の痛み |
大腸憩室症 | 少ない | 便に膿が混ざる |
出血性大腸炎 | 多い | 激しい腹痛、下痢、まれに高熱 |
偽膜性大腸炎 | 中程度、粘液に混ざる | 下痢、腹痛、発熱 |
最後に潰瘍性大腸炎の特徴的な所見である縦走潰瘍と出血部位の大腸内視鏡検査の写真です。
縦走潰瘍(画像の鮮明度は落としてあります。)
出血部位(画像の鮮明度は落としてあります。)
※参考にされてより良い日常生活をおくれるようになる手助けとなれましたら幸いです。
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