外注戦略について
WELQといえば、
1日約100記事の投稿によりあらゆるキーワードを攻略していきましたが、
それを可能にしたのが外注です。
もしかしたら、WELQの外注戦略を目の当たりにして、
「自分も外注を使えば上位表示を狙えるのでは!?」
と思った人も少なくないでしょう。
しかし、私としては逆に今回の件は
外注をこれからも使わないことを強く決心するきっかけになりました。
モラルの問題も改めて考え直しましたが、
それ以上に成功しないなと思いました。
確かにWELQの外注を再現できれば成功するのはほぼ間違いありませんが、
これを個人でできるかというとまず不可能です。
キーワードを根こそぎ網羅できるような記事数と、
一つ一つの記事の質が重要になります。
特に記事の質に関しては、
単なる外注戦略でどうにかできるものではありません。
WELQの記事の質を考慮すると、
何人も優秀なディレクターが存在していたのが予想できます。
コピペにならない程度のリライトに留め、
さらに見出しごとに情報を整理したりしないといけません。
記事の内容に見合った画像を挿入したり、
キーワードの需要の把握や記事タイトルを決めるのも疎かにはできませんね。
これらを外注に丸投げするのなんて絶対に不可能です。
つまり、WELQが成功した本質は外注そのものではなくてあの質の記事を量産できた仕組みにあるということです。
WELQレベルの質が外注で再現できなければ
効率重視の外注戦略は難しいのではないでしょうか。
個人が外注で成功するには、
知り合いやよっぽど信頼の置ける人を教育し、
きちんと価値のある記事を書いてもらうしかないかなと思います。
また、結果が出ていない人ほど外注に頼りがちですが、
そもそもどういう記事が評価されるのかを把握していないといけないので、
いずれにしてもまずは自分自身である程度成功を収めるのが先ですね。
キュレーション記事の書き方について
キュレーション記事、つまり『まとめ記事』ですね。
問題になっているのは、
他のサイトの情報をまとめるキュレーション記事です。
NAVERまとめが出てきたときから言われていることですが、
キュレーションサイトは単なるパクリ記事になってしまっています。
NAVERは他のサイトの画像や文章を無断転載しているのが問題となりましたが、
結局今に至るまで何の対応もなく被害を被った人は泣き寝入りをするしかありませんでした。
そしてWELQに至っては外部リンクすら貼らずに、
キュレーションサイトなのにオリジナルコンテンツを装っていました。
今回の騒動の一番の問題はここですね。
こんなことがあって今では
『キュレーション記事=パクリ記事』と思われがちです。
しかし決してそんなことはありません。
キュレーション記事は、
「色んな人の考えを客観的に扱える」
という独自コンテンツにはないメリットがあります。
たとえば、とある漫画を人に勧められて読もうかどうか悩んでいる時、
ネット上のレビューを参考にする人は多いでしょう。
しかし、一人のレビューを見たところで、
その人が自分とは感性が違っていたら参考にならないので、
色んな人の意見が知りたいと思うのが普通です。
それも、賛否の両方の意見があれば、
その漫画がどういう人だと楽しめるのかというのが分かります。
ただ、ネットで一つ一つレビューを探すのは面倒なのでそんな時にキュレーション記事が重宝します。
キュレーション記事とは、
「ユーザーがサイトを横断したり情報を整理したりする手間を省く」
という独自コンテンツでは創出できない価値があるのです。
新たな価値を生み出すというのがポイントですね。
独自コンテンツではできないことをするからこそ、
ユーザーに評価され、なおかつ引用された側にも受け入れらるのです。
独自コンテンツがあってこそのキュレーション記事ですし、
独自コンテンツに対するリスペクトを損なってはいけません。
正当なキュレーションであれば、
引用された側にとっても嬉しいはずですし、利益にもなります。
NAVERやWELQの場合、アクセス第一に考え、
キュレーション記事でありながら独自コンテンツになりかわることを目指したため、
色んなところで批判されているわけです。
引用条件を満たすのは当然ですが、
何よりも引用された側が不愉快に感じる時点で、
それは本来のキュレーション記事ではありません。
キュレーション記事を書く場合、
常に引用する独自コンテンツを尊重し、
誰も不利益を被らず不愉快にならないよう心がけましょう。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
先月WELQは非公開となりましたが、
面白いのが、これを惜しむ声を一切見かけないということです。
Twitterのつぶやきで一般の人の反応を見てみたら、
WELQに対して批判的なものはあっても、擁護するものはほぼありません。
月間何千万PVとあるサイトが非公開になったにも関わらずです。
やっぱりWELQのこの結果はなるべきしてなったという感じがしますね。
結局WELQは新たな価値を作り出したわけでもないですし、
なくても困らないサイトだったのです。
ビジネスとしてどこか破綻しているんですよね。
Googleの理念の一番最初にこのように書かれています。
「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。」
⇒Google が掲げる 10 の事実
結局GoogleのアルゴリズムはWELQに対処できませんでしたが、
結果としてはこの通りです。
まだ復活する可能性もあるかもしれませんが、
現時点では大きな赤字となっているわけです。
ユーザーに焦点がないサイトは何も残らないというのは真理だと思いますし、
逆にユーザーに価値を提供していれば結果は後からついてくるものです。
そしてユーザーに焦点を合わせるというのは、
今回述べた“網羅性”や“外注”、“キュレーション”、
全てに通じますね。
どんなノウハウでも常にユーザーへ与える価値を考えていくのが何よりも大事なのです。
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