心臓の位置は通常は胸の真ん中辺りにありますが、若干左側にあるとも言えます。ただ、心臓の軸が左側に傾いているということが正確な表現でもあります。
よく心電図(ECG)などをとる時に、アイントーベンの三角形という心臓の軸の位置をベクトルみたいな三角形で傾きを調べます。
この軸が左側に向いているということになります。実際にはです。
ただ、時折内臓自体が左右逆になってしまっている人がいらっしゃるのも事実です。
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内臓転位と言います。多くの場合心臓の位置が左右逆になっていることや検診時などで発覚することが多いですが、逆だからと言って必要以上に心配することはありません。
何かあった時(例えば不慮の事故や急病で意識混濁や意識不明などになった場合)には、
内臓転位は非常に重要になりますが日常においては通常通りに生活が出来ているのであればそこまでの心配は要りません。
手術などを伴う場合にはとても重要な情報になります。
なぜかは言うまでもないと思われますが、
左右逆になっているのですから開腹した時にターゲットとなる臓器が見当たらないとか、重要な太い血管(動脈:胸部大動脈や腹部大動脈)を傷つけたりしてしまう可能性が高いからです。
なによりも患者さんの身体の反対側を再度開腹しなければなりません。
ということは、
一度反対側を開腹してしまっていますから開腹してしまった側は閉腹(インオペ)しなければならない為身体には2倍以上の負担がかかってしまうことになります。
今では画像処理技術が発達してきているので手術前にわかりますが、
その画像処理を間違ってしまってはもともこもありません。
機械は人間が今のところ操っています。その機会に指示や命令を出すのを誤ってしまっては機械自体は正直で素直なのでその通りに処理してしまいます。
その結果、左右が逆になっている画像ができあがってしまいます。
機械の中ではラプラス変換やいろいろな処理を行います。
しかも、近年ではデジタル化が進んでいるのでアナログ画像(アナログ写真:代表例としてレントゲン写真)はほとんどなくなってきています。
内臓転位は先天性のものですべての臓器が左右逆になっていることを言います。
心臓だけの場合は右心蔵といいます。
ですが、同時に他の症状などを併発してしまうことも多いのも事実です。
また、心臓の場合には肺へつながっている血管(肺動脈や肺静脈など)が入り組んでしまう為手術自体も困難になったりします。
(心臓から肺までの血管は他の部位と動静脈と言われる上記血管名の中を流れる血液は逆になります。)
ほかに、心臓中隔欠損症などは有名ですがこの先天性の疾患は程度によりますが、
大きすぎる穴(中隔欠損)でなければ、成長と共に塞がることが多いので保存的に様子を見ていきます。
大きすぎる場合や命に関わる場合には心臓中隔欠損症へのアプローチする手術をしますが、パッチと言われるものを心臓の中隔欠損部に左心側からあてます。
なぜか?
それは、心臓は左側のほうが血圧が高いのでその血圧(圧力)で中隔欠損部から剥がれないようにするためです。
浸透圧もそうですがなんでも物理的に高い方から低い方へ流れていきますので、
それを逆手に取ることになります。
例としては簡単にではありますが、
水は高いところから低いところへしか流れませんよね。
もちろん、無重力状態化では別ですよ。
と主題と少々それてしまいましたが以下のような事があったようです。
あり得ないのですがあり得ないこともないということなのでしょう…。
こういうことは絶対にあってはならないことです!!
もし、自分が内臓転位だったとしたなら何かあった際には分かるようにカード(ドナーカードみたいなもの)や免許証などに記載しておきましょう。
かならずです。
他にも重篤なアレルギー反応が出たことがある薬なども同様にわかるようにしておくと良いと思います。
どうしても、その薬を使わなければ命にかかわるという場合にはやむを得ませんが、
副作用による医原性疾患などを防ぐことにもなります。
心臓で以前に記事にしたものがありますので参考にしてみてください。
前田健さんの不整脈に関することになります。
心臓の刺激伝達系などを解説しています。
是非、参考にしてください。
※ただ、前田健さんのお名前を記載してありますが主は不整脈に関することを書いていますので、前田健さんとは何も関係はありません。
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