多くの方が血圧を下げる薬として飲んだり点滴などで使用する降圧剤。
数年前にはディオバンという降圧剤の不正がありました。
今回の降圧剤は、
「アジルサルタン」「アムロジピンベシル酸塩」を含む製剤で、横紋筋融解症などを18人が発症し、重い肝障害の劇症肝炎で2人が死亡したと発表しました。
厚生労働省は後発医薬品を含む製造販売元各社に、薬の添付文書の「重大な副作用」の項目に横紋筋融解症や劇症肝炎などを追記するよう求めた。
また、横紋筋融解症では重篤な腎不全を起こし得るものです。
横紋筋融解症は筋肉痛や脱力などがあり、急性腎不全を起こすことがある。
降圧薬で劇症肝炎、2人が死亡…18人に副作用- 記事詳細|Infoseekニュース
スポンサーリンク
横紋筋融解症になると、 横紋筋すなわち骨格筋が融解してしまうという現象です。
阪神大震災の後に話題になりました。
この融解されてしまった横紋筋内にはCPK(CK)と言われるクレアチニンフォスフォキナーゼという成分があり、
それが血中に放出されて通常なら腎臓の排泄機能である程度は排出されますが、
基本的に分子数が大きいため腎臓の排出機能である糸球体というところに詰まってしまいます。
それによって、腎臓の人体に有害な物質などを小便内に排出することができなくなってしまい、
体内に有害物質が溜まってしまうことにより急性腎不全により死亡してしまうという機序になります。
薬は必要でもありますがクスリはリスクとも言われるように、
処方する医師側はもちろんですが、私たち一般人でもある程度の理解は必要なのかもしれません。
(結構、難しいですが身内に医療従事者などがいるとある程度はわかるのではないでしょうか。)
でないと医療ミス等の場合に対応できなくなってしまいます。
最近は医療ミスの訴訟が10年前くらいに比べると若干少なくなってきているように思えますが、
あくまで医師側を守る措置として何かが働いているように思います。
死亡例など以外はあまり医療ミスとして大きく扱われない…。
そんな気がします。
たしかに、医師側も訴訟ばかりを気にしていたら十分な治療ができなくなるかもしれません。
ですが、
医師である以上薬の効果、副作用などは頭に入れておき何かあった時の対処くらいは最低でも覚えておいてほしいものです。
インターネット検索や電子カルテ内の薬情報ばかりに頼るのではなく…。
また、 訴訟が少ない精神科医などになる医師も増えてしまっていて、
救急外来での医師、救外医や外科医など訴訟リスクが高い医局への入局を希望する若い医師が減っている現状もあるのかもしれません。
いや、 確実にありますね。
最近の高齢出産が多い、多くなってきた時代では産婦人科医などもそうですね。
ただ、救いなのが…。
1980年代までや1990年代前半までのように確実に隠蔽するというものではなくなってきているということは、
救いとは言えるのではないでしょうか。
comment